- 歯周病とは
- 歯周病の症状をチェックしましょう!
- 歯周病の原因は歯石?歯周病菌?
- 歯周病の進み方
- 歯周病になりやすい人
- 歯周病は治る?歯周病治療の流れ・治療期間
- 歯周病のおすすめ予防方法とは?
- 「歯周病かも?」と思ったら、早めに当院にご相談ください
歯周病とは
歯周病とは、歯周病菌によって歯茎や顎の骨に炎症が起こる病気です。
顎の骨の炎症は、顎の骨を溶かしてしまい、するとその骨を覆っている歯茎が下がります。さらに顎の骨が溶けるということは、その骨に支えられている骨の安定性が低下するということです。歯周病が進行すると、歯がグラグラするようになり、最終的には抜け落ちます。歯を失う原因の第1位は、実は虫歯ではなく歯周病なのです。
現在、未治療の人を含めると、国内の30歳以上の約80%が歯周病だと言われています。また歯周病は、糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞・脳梗塞などといった全身疾患との関連が指摘されています。
このようなおそろしさを持つ歯周病ですが、早期の適切な治療によって、炎症を取り、進行を食い止めることは十分に可能です。また当院では、進行した重度の歯周病治療にも対応しており、患者様がご希望する限り、その歯を残すための最善の努力をいたします。
歯周病が気になり始めた方、歯周病が進行しており不安な方は、お気軽に当院にご相談ください。
歯周病の症状を
チェックしましょう!
歯周病は、初期の段階では自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行してしまうことがあります。
しかし、以下のような症状に心当たりがある場合、歯周病のサインかもしれません。早めに対処することで、歯の健康を守ることができます。
- 歯磨きやデンタルフロスを使用した際に歯茎から出血することがある。
- 歯茎が腫れている、赤みが増している、または痛みを感じることがある。
- 口臭が長期間にわたって続いている。特に朝起きたときや口を閉じた後に強く感じる。
- 歯茎が以前より下がってきたように感じる、歯が長く見えるようになった。
- 特定の歯が揺れる感じがする、または食事中に不安定さを感じる。
- 噛むときに痛みを感じる
- 歯と歯の間に物が詰まりやすい
歯周病の原因は歯石?
歯周病菌?
歯周病の原因は、口内に存在する歯周病菌の増殖です。プラークの中に潜む歯周病菌が出す毒素によって、炎症が引き起こされるのです。
プラークが硬くなった歯石については、直接悪さをすることはありませんが、プラークが溜まりやすい環境の原因となるため、プラーク・歯石を取ることが歯周病の治療と予防では重要となります。
基本的なメカニズムについては上記の通りですが、それ以外にも以下のような因子が、歯周病の発症リスクを高める・悪化させることがあります。
- 歯磨きの不足
- 喫煙
- ストレス
- 噛み合わせが合っていない
- 詰め物・被せ物が合っていない
- 歯並びの乱れ
- 歯ぎしり、食いしばりの癖
- 生活リズムの乱れ、睡眠不足
- 栄養バランスの偏った食生活
- 妊娠による女性ホルモンのバランスの変化
- 肥満、メタボリックシンドローム
- 糖尿病
- 骨粗鬆症
など
歯周病の進み方
歯周病は、以下のように段階的に進行していきます。進行が緩やかであることも、歯周病の気づきにくさの原因です。特に初期には、まったくと言っていいほど症状がありません。
歯肉炎
歯茎に炎症が起こっていますが、顎の骨にまでは拡大していません。
ほぼ無症状ですが、歯茎の腫れや赤み、歯磨きの際の出血などをきっかけに受診してくださる方もいらっしゃいます。
軽度歯周炎
炎症が歯周ポケットの中まで広がり、顎の骨が溶け始めています。
歯茎の腫れ・赤み、出血といった症状が見られます。
中等度歯周炎
炎症が拡大し、顎の骨が、歯の根の高さの3分の1程度まで溶けてしまった状態です。
歯茎の腫れ・出血に加え、歯茎が紫っぽくなる、歯茎が下がる、冷たいものがしみる(知覚過敏)、膿が出る、口臭といった症状が見られます。
重度歯周炎
あごの骨が、歯の根の高さの半分以上、溶けてしまった状態です。
中等度歯周炎の症状が悪化すると共に、歯のグラつき、歯茎の痛みなどの症状が現れます。そして最後には、歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病になりやすい人
歯磨きが
不足している人
虫歯と同じで、歯磨きが不足している人は歯周病のリスクが高くなります。
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシ、洗口液などを併用し、適切なセルフケアをしましょう。
喫煙習慣のある人
喫煙は、血流の低下、免疫力の低下などを招き、歯周病のリスクを高めます。また煙に含まれる有害物質が付着した歯は、プラークが溜まりやすくなるため、やはり歯周病、そして虫歯のリスクを高めます。
慢性的なストレスを
抱えている人
慢性的なストレスは、免疫力、唾液の分泌を低下させることから、歯周病を含めたさまざまな疾患のリスクを高めます。
歯並びの乱れ、
噛み合わせの不良がある人
歯並びや噛み合わせの乱れがあると、食べかすやプラークが溜まりやすくなります。加えて、顎の骨に偏った力がかかることから、歯周病のリスクが高くなります。
歯ぎしり・食いしばりの
癖がある人
歯ぎしり、食いしばりはいずれも、顎の骨に多大な力をかけます。炎症の悪化、顎の骨の吸収を招き、歯周病のリスクを高めます。
妊娠中の人
妊娠中は、女性ホルモンのバランスが崩れること、食事回数が増えること、つわりで歯磨きが不足しがちであることから、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
生活習慣が乱れている人
栄養バランスの偏った食事、運動・睡眠不足による免疫力の低下によって、歯周病のリスクが高くなります。
糖尿病の人
糖尿病になると、組織の修復力や免疫力が低下することから、歯周病のリスクが高くなると言われています。また、唾液の分泌量も低下し、口内の自浄作用が働きにくくなります。
骨粗鬆症の人
歯周病は、顎の骨が溶けてしまう病気です。骨がスカスカになる骨粗鬆症は、歯周病の発症や悪化の原因の1つとなります。
歯周病は治る?
歯周病治療の流れ・治療期間
歯周病は、その進行に応じて治療法が異なります。そして進行するほど、治療は大がかりになります。
歯科医院で行う治療に加えて、喫煙、ストレス、生活習慣の乱れ、歯ぎしり・食いしばり、修復物の不適合などのリスク因子を排除・改善することも大切です。
軽度歯周病の場合
歯冠部、歯周ポケットに歯石がこびりつき、顎の骨が溶け始めています。
この段階であれば、歯磨きの改善、歯科医院でのクリーニングによって、炎症を抑えることが可能です。
治療の流れ
- 歯周病検査、診断をします。
- 歯科医院でプラーク・歯石を取り除くクリーニング、歯磨き指導を行います。
- ご自宅では、指導された方法で歯磨きを行います。
- 炎症が治まれば、治療は終了です。ただしその後も、3カ月に1度は歯科検診・メインテナンスにお越しください。
中等度歯周病の場合
歯冠部、歯周ポケットの深くに歯石がこびりつき、顎の骨の吸収も進んでいます。
主に、以下のような流れで治療を行います。
治療の流れ
- 歯周病検査、診断をします。
- 歯科医院でプラーク・歯石を取り除くクリーニング、歯磨き指導を行います。
- ご自宅では、指導された方法で歯磨きを行います。
- 歯周ポケットの深い位置にある歯石を除去します。
- 炎症が治まれば、治療は終了です。その後も、3カ月に1度のペースで歯科検診・メインテナンスにお越しください。
重度歯周病の場合
炎症が広がった顎の骨が大きく溶けており、歯のグラつきなどの症状も現れています。
外科的な治療も必要になります。また場合によっては、歯を残せないこともあります。
治療の流れ
- 歯周病検査、診断をします。
- まず歯科医院でプラーク・歯石を取り除くクリーニング、歯磨き指導を行います。
- ご自宅では、指導された方法に従って歯磨きを行います。
- 歯周ポケットの深い位置にある歯石を除去します。
- 歯茎を切開して、歯の根にこびりついた歯石を直接的に除去します。
- 炎症が治まれば、治療は終了となります。ただその後も歯周病が悪化する可能性、歯を失う可能性は残ります。3カ月に1度のペースで歯科検診・メインテナンスにお越しください。
歯周病の治療期間
歯周病は慢性疾患であり、短期間で簡単に治る病気ではありません。また、炎症がとれたからといって、自然に顎の骨が再生する・下がった歯茎が戻るということもありません。
それと同時に、非常に再発しやすい病気でもあります。治療が終わってからも、定期的な歯科検診・メインテナンスで再発予防に努める必要があります。虫歯以上に、治療を終えてからの歯科検診・メインテナンスが重要となるのです。
歯周病のおすすめ予防方法とは?
自宅で出来るセルフケア
指導された歯磨き方法の実践
歯周病の予防や治療においてもっとも重要と言えるのが、歯磨きです。歯科医師・歯科衛生士に指導してもらった方法で、歯ブラシ・デンタルフロス・歯間ブラシ・洗口液などを正しく使用しましょう。
食習慣・生活習慣の改善
バランスの良い食事、規則正しい生活リズム、適度な運動、十分な睡眠は、免疫力の向上、血行の改善といった効果をもたらすため、歯周病の予防・改善が期待できます。
禁煙
喫煙は、歯周病の重大なリスク因子です。できる限り、禁煙してください。
ストレスの解消
慢性的なストレスは、免疫力の低下を招きます。ストレスは溜め込まず、小まめに解消しましょう。
歯科で受けられる
プロフェッショナルケア
プラークや歯石の除去
プラークは歯磨きで除去可能ですが、歯石は歯科医院で取ってもらう必要があります。定期的に歯科検診を受け、磨き残しのプラーク、こびりついた歯石を取ってもらいましょう。
歯磨き指導
歯科検診の際には、歯磨き指導が受けられます。指導された直後は気をつけていても、何週間も経つとどうしても「磨き方の癖」が出てきます。定期的に指導を受け、ご自宅で実践していきましょう。
必要に応じて、矯正治療など
歯並びの乱れがある方に対する矯正治療、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方に対するマウスガードの作製などは、いずれも歯周病の予防効果が期待できます。当院では、お口の総合的な治療を大切にしております。
「歯周病かも?」と思ったら、
早めに当院にご相談ください
歯周病は、放置すると歯の喪失につながる恐れのある深刻な病気です。気づかないうちに進行してしまうことが多く、気づいた時にはひどい状態で、治療に費用がかかってしまった、というケースがよくあります。歯茎の腫れや出血、口臭、歯のぐらつきなど、少しでも「歯周病かも?」と思う症状がある場合は、できるだけお早めにご相談ください。