- 歯肉炎とは?歯周病との違いと進行段階
- 歯肉炎・歯周炎の症状をチェック!
- 歯肉炎の原因はストレス?疲れ?
- 歯周炎の原因は?
- 歯肉炎の治療法
- 歯周炎の治療法
- 歯肉炎・歯周炎で歯ぐきが痛い…眠れない時の対処法
- 歯肉炎に関するよくあるご質問
歯肉炎とは?
歯周病との違いと進行段階
歯肉炎とは、その名の通り歯茎(歯肉)に炎症が起こっている状態を指します。ただし、顎の骨には炎症が及んでいません。
対する歯周病は、歯肉炎と歯周炎の両方を含めて言い指します。歯周病は以下のように分けられ、段階的に進行していきます。
歯周病の進行段階
歯肉炎
歯茎に炎症が起こっているものの、顎の骨にまでは広がっていません。ほぼ無症状ですが、歯磨きの際に出血が見られることがあります。
軽度歯周炎
歯周ポケットの中まで炎症が広がり、顎の骨が溶け始めます。歯茎の腫れや出血が見られ、口臭も気になることがあります。
中等度歯周炎
顎の骨が、歯の根の高さに対して3分の1程度溶けています。歯茎退縮、知覚過敏、膿が出る、口臭が強くなるといった症状が見られます。
重度歯周炎
顎の骨が、歯の根の高さに対して半分以上、溶けています。歯がグラつき、最悪の場合には脱落します。
強い痛みや出血を伴うこともあります。
歯肉炎・歯周炎の
症状をチェック!
歯肉炎の症状
炎症が歯茎に留まっていますので、症状も基本的に歯茎のみに見られます。
- 歯茎の腫れ
- 歯茎の赤み
- 歯磨きの際の歯茎からの出血
歯周炎の症状
炎症が顎の骨にまで及び、以下のような症状が見られます。
- 歯茎の腫れ
- 歯茎の赤み
- 歯磨きの際の歯茎からの出血
- 歯茎が紫っぽくなる
- 歯茎の退縮、歯間が広くなる
- 冷たいものがしみる
- 膿、口臭
- 歯が浮く感覚、ムズムズ感、痛み
- 歯のグラつき
歯肉炎の原因はストレス?疲れ?
歯肉炎の原因となるのは、お口の中にあるプラークです。プラークに潜む歯周病菌が毒素を出すことで、歯茎で炎症が起こります。
歯磨きの不足、食生活・生活習慣の乱れ、喫煙、歯ぎしり・食いしばりなど、さまざまな原因があります。また、ストレスや疲労による免疫力の低下、妊娠に伴う女性ホルモンのバランスの変化などが、歯肉炎の発症に影響することもあります。
歯周炎の原因は?
歯周炎は、歯周病菌による炎症が、歯周ポケットを介して顎の骨にまで拡大したものです。
「歯肉炎が進行した状態」とも言えるため、歯肉炎と共通した原因を持ちます。
歯磨きの不足、食生活・生活習慣の乱れ、喫煙、歯ぎしり・食いしばり、ストレスや疲労による免疫力の低下、妊娠に伴う女性ホルモンのバランスの変化、糖尿病など、さまざまな原因によって発症したり、悪化したりします。
歯肉炎の治療法
歯磨き指導、プラーク・歯石の除去が基本的な治療となります。
歯磨き指導
歯科衛生士から指導してもらった方法で、ご自宅で歯磨きを実践しましょう。
歯ブラシ・歯磨き粉だけでなく、デンタルフロス・歯間ブラシ、また可能であれば洗口液などを用いて、お口の中をきれいにします。
プラーク・歯石の除去
プラークは、ご自宅での歯磨きでも除去が可能です。一方の歯石は、歯科医院でクリーニングを受けなければ除去できません。
歯科医院では専用の道具を用いて、取り残したプラーク、こびりついた歯石を徹底的に除去することができます。
抗生物質の処方
場合によっては、炎症を抑えるための抗生物質を処方することがあります。
歯周炎の治療法
歯磨き指導、プラーク・歯石の除去、また場合によっては外科的な治療が必要になります。
歯磨き指導
歯科衛生士から指導された方法で、ご自宅で歯磨きを行います。
歯ブラシ・歯磨き粉だけでなく、デンタルフロス・歯間ブラシ、洗口液などを使って、お口の中の歯周病菌が少ない状態を維持しましょう。
プラーク・歯石の除去
磨き残したプラーク、こびりついた歯石を除去します。
歯周炎の場合は、歯周ポケットの奥深くまで清掃する必要があります。
外科的な治療
重度歯周病の場合には、歯茎を切開し、歯の根にこびりついた歯石を直接的に取り除く治療が必要になります。
外科的な治療の際には、少なくなった顎の骨の再生を促す薬剤を使用することもあります。
歯肉炎・歯周炎で歯ぐきが痛い…眠れない時の対処法
歯肉炎・歯周炎で歯茎が痛くて夜眠れない、あるいは仕事や家事が手につかないという場合には、以下のような方法をお試しください。
ただし、いずれも応急処置としての対応ですので、痛みが引いた場合も、必ず近いうちに歯科医院を受診しましょう。
丁寧に歯磨きをする
お口の中を清潔にすることで、炎症を抑えることが可能です。
歯ブラシやデンタルフロス・歯間ブラシ、洗口液などを使って、普段以上に丁寧に歯を磨きましょう。ただし、ゴシゴシと強く擦ると、痛みや出血の原因となります。
頬の外から歯茎を冷やす
氷嚢などで頬の外から歯茎を冷やす方法も有効です。氷を口に含むなどの直接的な冷却、頬の外からでも長時間の冷却は、症状を悪化させるおそれがあるため、お控えください。
市販の痛み止めの内服
痛みで睡眠不足になる、ストレスが溜まるといった場合には、免疫力を落とさないためにも、痛み止めの内服が有効です。ほぼ確実に効果がありますが、常用しないでください。
歯肉炎に関するよくあるご質問
歯肉炎や軽度の歯周病は
マウスウォッシュで治りますか?
口内が清潔になり、炎症・痛みが多少軽くなることが期待できますが、劇的な効果は期待できません。 またもちろん、根本的な治療にもなりません。プラークだけでなく、歯石を除去することが重要であるためです。 歯石は歯ブラシでは取れませんので、歯科医院で除去してもらいましょう。
歯肉炎は何歳から
起こりますか?
歯肉炎については、5歳くらいの子どもでも発症します。年齢が高くなるにつれ、歯周炎になる割合も高くなります。歯肉炎・歯周炎は決して高齢者だけの病気ではありません。虫歯とともに、子どもの頃から予防することが大切になります。
歯肉炎かどうか確かめる
方法はありますか?
歯肉炎や歯周炎は、そもそも症状の乏しい病気です。そのため、症状に気づいて受診をしたら中等度歯周炎だった、あるいは重度歯周炎だったということもあります。歯茎の腫れ、出血、起床時の口内の粘つき、歯茎のムズムズ感などの症状がある場合には、お早めに当院にご相談ください。