- 予防歯科とは
- 予防歯科に通うメリット5選
- 予防歯科にデメリットはある?
- 予防歯科で行う主な治療(クリーニング)とは?
- 歯石とり(歯石除去)・歯のクリーニングについて
- 歯の予防は、歯石取りやクリーニングだけではない
- 予防歯科での治療は保険適用される?費用は?
予防歯科とは
予防歯科とは、定期的に歯科医院を受診して、検査や予防処置、歯磨き指導などを受けることで、虫歯や歯周病を予防する診療科です。
予防歯科の重要性
歯や歯茎の健康と美しさを守るためにもっとも重要なのは、「虫歯や歯周病にならないこと」です。虫歯・歯周病になってから完璧な治療を行っても、歯や歯茎が完全に元の健康で美しい状態には戻ることはないためです。
また予防歯科にはもう1つ、大切な意味があります。それが、虫歯・歯周病の早期発見です。どれだけ予防に取り組んでも、残念ながら虫歯・歯周病になってしまうということあります。
しかし、定期的に歯科医院に通っていれば、それらの虫歯・歯周病を、自覚症状のない初期の段階で発見し、治療を行うことができるのです。
早期治療ができれば、歯や歯茎へのダメージは最小限に抑えられ、以前に近い機能性・審美性を取り戻すことが可能です。さらに治療期間は短く、治療費も少なくなります。
「虫歯・歯周病の予防と早期発見のために歯科医院に通う」
これこそが、歯科医院との理想的な付き合い方と言えます。
予防歯科に通う
メリット5選
予防歯科に通うことで得られるメリットを5つ、ご紹介します。
虫歯や歯周病の予防と早期発見・早期治療ができる
先述した通り、予防歯科では虫歯や歯周病の予防、早期発見・早期治療が最大の目的と言えます。
見た目の美しさを
保てる
虫歯や歯周病にならないこと、なった時も早期治療することで、お口元の美しさが維持できます。削った歯は二度と再生せず、退縮した歯茎も外科的な治療を行わない限り回復しません。
全身の健康に好影響を与える
しっかりと噛むことは、胃腸の負担軽減、栄養の吸収効率の改善、脳への刺激などをもたらします。また、おいしいものを食べること、お口元の美しさを保てることで、心の健康にも好影響を与えます。
全身疾患の
予防につながる
虫歯や歯周病は、虫歯菌・歯周病菌の感染症です。炎症部から細菌が血管に入り込み、全身を巡ることで、糖尿病や心筋梗塞、心内膜炎、脳梗塞、認知症、関節リウマチなどのリスクが高くなる可能性があります。
虫歯・歯周病の予防は、これら全身疾患の予防にもつながるのです。
治療期間が短くなり、治療費が抑えられる
もし虫歯・歯周病になった場合も、定期的に歯科医院に通っていれば症状のない早期のうちに発見し、治療を行うことができます。これにより、発見が遅れた場合より小規模な治療で済むため、治療期間は短く、治療費は安くなります。
予防歯科に
デメリットはある?
お口の健康や美しさなどに対してのデメリットはありません。
唯一、患者様のご負担となり得るとすれば、それは予防歯科にかかる費用と言えます。しかし、予防歯科にかかる費用は、未来の健康への先行投資と言えます。
「生涯の歯科・医科でかかる医療費」という観点から見れば、予防歯科に取り組まなかったために繰り返し虫歯・歯周病の治療を受ける人、重大な全身疾患になり治療を受ける人と比べると、むしろ経済的なメリットは大きくなることが期待できます。
そして言うまでもありませんが、「健康」には、何物にも代えがたい価値があります。
予防歯科で行う主な治療(クリーニング)とは?
予防歯科を受診なさった場合には、虫歯や歯周病の検査、口腔内写真撮影などの上、以下のような予防処置が行われます。
歯石除去
虫歯菌や歯周病菌が含まれる白いかたまりのことを「プラーク」、磨き残したプラークが固まったものを「歯石」と言います。
歯石は歯磨きでは取れませんので、歯科医院で除去します。これによりプラークが付着しにくくなり、虫歯や歯周病の予防につながります。
PMTC
専用の器具を用いて行う、ワンランク上のクリーニングと言えます。プラーク・歯石などを隅々まで除去します。
PMTC後の歯は、舌で触って分かるほどツルツルとしており、プラークも付着しにくくなります。また、歯の表面的な汚れであれば、きれいに落とすことが可能です。
歯磨き指導
染め出し液で磨き残したプラークを可視化し、歯磨き指導を行います。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシの使用方法も指導します。
歯磨きは「一度指導を受けたら大丈夫」というものではありません。日々歯磨きをしているうちに、どうしても癖が出てきてしまうため、定期的に指導してもらうことが大切です。
フッ素塗布
歯質の強化、歯の再石灰化の促進という効果を持つ高濃度のフッ素を、歯に直接塗布します。
0歳の赤ちゃんから受けられる、安全性の高い予防処置です。フッ素の効果は3~4カ月、持続すると言われています。
シーラント
虫歯リスクの高い子どもの奥歯などを、フッ素入りの樹脂で予め埋めておく予防処置です。歯を削ったりする必要はありません。食べかすが溜まりにくく、かつ歯ブラシで磨きやすくなります。
歯石とり(歯石除去)・
歯のクリーニングについて
歯石とは
歯石とは、唾液の作用によってプラークが石灰化したものです。
歯石それ自体が虫歯や歯周病の原因となることはありませんが、プラークが付着しやすい性質を持っているため、予防という観点で考えると定期的に除去すべきものです。
放置していると次第に大きくなっていきます。
歯石を掃除するには?
歯のクリーニングの
方法について
歯石は、歯ブラシでは除去できません。
歯科医院では、専用の道具を用いて除去します。スケーラーやキュレットと呼ばれる道具を使い、歯冠部や歯周ポケットの歯石を取り除いていきます。
歯石取りの頻度は?
どれだけ丁寧に歯磨きをしても、歯石は少しずつ形成されていきます。
目安として、3カ月に1回程度の歯石除去が推奨されます。ご自宅での歯磨きの状況が良くない場合、歯周ポケットが深くなっている方の場合、頻度が高くなることもあります。
歯石は黒い?
歯石には、白いものと、黒いものがあります。
白い歯石は、歯冠部(普段見えている部分)に形成されます。一方の黒い歯石は、歯周ポケットに形成されます。黒くなるのは、歯周ポケット内で血液や浸出液が沈着するためです。
歯の予防は、歯石取りや
クリーニングだけではない
口臭の予防
歯石を放置していると、プラークが溜まりやすくなります。プラークには多量の細菌が含まれており、これらの細菌が出す毒素によって、口臭が強くなります。
長く歯科医院に行っておらず口臭が気になる場合には、歯石除去や歯磨き指導を受けてみましょう。
虫歯の予防
歯磨き指導に加え、PMTCやフッ素塗布など、虫歯予防に効果的なメニューがございます。
歯磨きを頑張っているのに繰り返し虫歯になってしまうという場合、生え替わりの時期・矯正治療中なので特に虫歯になりたくない、させたくないという場合には、予防歯科にも目を向けてください。
歯周病の予防
現在、国内の30歳以上の約80%が歯周病だと言われています。
定期的に歯科医院に通いながら予防に取り組むことで、歯を失う原因としてもっとも多い歯周病のリスクを下げましょう。
歯ぎしり・食いしばりの予防
歯ぎしりや食いしばりは、歯の擦り減りを加速させます。虫歯や顎関節症の原因にもなります。マウスピースを使った治療などで、進行を防ぎつつ、改善を図りましょう。
インプラント治療
による歯の予防
インプラントは、部分入れ歯やブリッジのようにまわりの歯に負担をかけません。清掃性も高く、虫歯や歯周病の予防の1つとして、歯を失った時の治療にインプラントを選択する人が増えています。
咬み合わせ・矯正歯科治療による歯の予防
矯正治療は、見た目が良くなるだけでなく、清掃性の向上が期待できるため、虫歯や歯周病の予防という意味でも有効です。また咬み合わせを改善することで、歯周病の改善や予防といった効果も期待できます。
予防歯科での治療は
保険適用される?費用は?
保険適用となる予防歯科の処置
定期検診
虫歯や歯周病の早期発見・予防のための定期検診は、多くの場合、保険適用となります。
スケーリング
(歯石除去)
歯周病予防のために行われるスケーリングも、保険適用で受けられることが一般的です。
フッ素塗布
子ども・大人を対象としたフッ素塗布は、保険の適用内です。
保険適用外となる
可能性のある
予防歯科の処置
プロフェッショナルクリーニング(PMTC)
クリニックで行う徹底的なクリーニングは、通常、保険適用外です。
シーラント(歯の溝を埋める処置)
ですが、保険適用の範囲は、年齢や疾患の有無、保険の種類などによって異なります。
具体的な費用や保険適用の範囲について気になる方は、お気軽に当院にご相談ください。