- 発症率の高い「顎関節症」とは
- 顎関節症が手遅れになる前に!
症状チェック - 顎関節症の原因
- 顎関節症を一瞬で治す方法はある?
対処法について - 顎関節症の人がやってはいけないこと
- 顎関節症は歯科と口腔外科、
どっちに行けばいい?
発症率の高い「顎関節症」とは
顎関節症とは、顎関節の筋肉や神経の異常などによって、顎の痛み、口を大きく開けない、口の開閉時の顎からの異音といった症状が引き起こされる病気です。
顎関節症は、2人に1人が生涯に一度は経験するという、発症率の高い病気です。症状に気づいた方は、お早めに当院にご相談ください。
顎関節症が手遅れになる前に!
症状チェック
顎関節症を放置すると慢性化し、症状が悪化して喋る・食べるといったことが難しくなったり、顔の歪みや耳鳴り、肩こりといった口まわり以外の症状見られることがあります。
顎関節症が「手遅れ」と感じる状態になる前に、早期の対応が重要です。
以下の症状が現れた場合はお早めにご相談ください。
顎関節症の主な症状
あごを動かすと音がする
口を開けたり閉じたりする時、あごからコキコキ、カクカク、ゴリゴリ、ザラザラといった異音が聞こえます。
口が大きく開かない
痛みによって、あるいは痛みはないけれど口を大きく開けないという症状です。1~2センチほどしか口を開けられないこともあります。
口を大きく開けようとすると痛い
口を開けようとした時に、あごに痛みが出ます。頬やこめかみに痛みを感じる、噛む時に痛みを感じるということもあります。
顎関節症の重症な症状
重症例では、口・あご以外にも、以下のような症状が認められることがあります。
あご以外の体の痛み
顎の痛みが脳に伝わり、脳が全身の筋肉に硬直するよう指令を出すことで、頭痛や肩こり、腰痛などの症状が発生することがあります。また次にご紹介する体のゆがみも、こりや痛みの原因となるものと思われます。
体や顔のゆがみ
顎関節症の原因が噛み合わせにある場合、顎の左右のバランスに偏りが生じ、顔貌に左右差が出ることがあります。
そして頭部の重心が移動することで体のバランスも崩れ、首や肩のこり、不良姿勢といった症状を引き起こすことがあります。
耳鳴りやめまい
顎関節症に伴う顎の異音が三半規管のある内耳に響いたり、平衡感覚を司る中耳の骨が顎関節によって圧迫されることで、耳鳴りやめまいといった症状が引き起こされることがあります。
不眠や精神障害
口を大きく開けず会話や食事に支障が出ること、全身でのさまざまな症状に悩まされることから、不眠や精神障害を招くというケースも見られます。
顎関節症の原因
顎関節症の原因、顎関節症になりやすい人についてご紹介します。
顎関節症の考えられる原因
顎関節症の原因は多岐にわたり、ほとんどのケースで複数の原因を抱えています。
- 歯並び・噛み合わせの乱れ
- 被せ物、入れ歯、ブリッジ、インプラントなどの不適合
- 歯を失ってからの長期間の放置
- 歯ぎしり、食いしばり
- 食事などによる顎の酷使
- 頬杖、猫背、うつぶせ寝
- 爪噛み、頬の内側や舌を噛む癖
- 過度のストレス、疲労
- 外傷
顎関節症になりやすい人の特徴
- 歯並びや噛み合わせが乱れている
- 歯科治療後、メインテナンスに通っていない
- 歯を失ったまま放置している
- 重度の虫歯や歯周病を放置している
- 重度の虫歯や歯周病を放置している
- 顎を酷使したり圧迫したりする癖がある
- 過度のストレス、疲労がある
- 硬いものばかり食べている、食べる量が多い
顎関節症を
一瞬で治す方法はある?
対処法について
顎関節症を「一瞬で」治す方法は残念ながらありません。以下では、治療法と症状を緩和するための即効性のある対処法をご紹介いたします。
スプリント治療
型取りをして作るマウスピースを装着するという方法です。主に夜間、必要に応じて日中にも使用します。
マウスピースを装着すると、装着していない場合と比べて深く噛むことができません。これにより顎の筋肉をリラックスさせ、痛みなどの症状の改善を図ります。
また、歯ぎしり・食いしばりの改善、歯の擦り減りの予防にも役立ちます。
スプリント治療
(マウスピース)の種類
スプリント療法では、以下のようないくつかの種類のマウスピースを使い分けます。
前歯接触型スプリント
上の前歯のみを覆うマウスピースです。噛んだ時には、下の歯の前歯部分のみ、マウスピースと接触することになります。
開口反射(口を開こうとする運動)を誘発し、顎の筋肉をリラックスさせます。
特に、顎の筋肉に痛みがある方に有効です。
全歯列接触型スプリント
(スタビリゼイションスプリント)
マウスピースと言われてまず想像する、すべての歯を覆うマウスピースです。上顎のみ、下顎のみ、あるいは上下の顎両方に装着します。
噛み合わせ、顎の位置を安定させることで顎の筋肉をリラックスさせ、顎関節症の症状の改善を図ります。
前方整位型スプリント
上顎のみ、または下顎のみの全歯を覆うマウスピースです。
関節円板という顎関節の軟組織を前方へと転移させることで、症状の改善を図ります。
特に、顎関節からの異音があるケースに適しています。
ピボット型スプリント
全歯を覆う形になっていますが、奥歯部分に突起がついているマウスピースです。噛んだ時、突起部だけが対する歯に接触します。
顎の痛み、口の開きづらさを軽減する効果が期待できます。
即効性のある対処法
口を開けるストレッチ
①両手の人差し指、中指の2本を揃えて、両側のこめかみを軽く押します。
②そのままの姿勢で、下顎をゆっくりと左へと動かします。
③下顎を、右へと動かします。
④下顎を、前方へと突き出します。
⑤口を無理のない範囲で、大きく開けます。
※顎を動かす時は、ゆっくりと動かしてください。急激に動かすと、顎を痛める原因となります。
あごの筋肉のマッサージ
①両手の人差し指、中指の2本を揃えます。
②両側のこめかみ(側頭筋)に当て、円を描くようにマッサージします。
③両側のエラの少し上(咬筋)に当て、円を描くようにマッサージします。
※筋肉をほぐすイメージで行ってください。入浴中や入浴後は、ほぐれやすいタイミングです。
冷温療法
急激に強い痛みがある場合、氷や冷たいタオルで顎の関節周辺を冷やすことで炎症を抑える効果があります。
反対に、筋肉が緊張している場合は、温めることで筋肉をリラックスさせることができます。
顎関節症の人が
やってはいけないこと
硬い食べ物を食べる
硬いものを噛むことで顎に過度な負担がかかり、痛みや違和感が増すことがあります。例として、硬いお肉、ナッツ、フランスパンなどは、強く、さらに何回も噛まなくてはいけません。顎関節に負担をかけてします食事はなるべく控えましょう。
うつ伏せで寝る
うつ伏せで寝ると顎に不自然な力が加わり、症状が悪化する可能性があります。仰向けや横向きで寝ることを心がけ、顎にかかる負担を軽減しましょう。
無意識な歯ぎしり・食いしばり
日常的に歯ぎしりや食いしばりを行うと、顎の筋肉や歯に過度な圧力がかかり、様々な問題を引き起こす可能性があります。
そのため、ストレス管理やマウスピースの使用を検討することが重要です。特に、市販のマウスピースではなく、歯科医院で作成されるマウスピースの使用をお勧めします。
市販のマウスピースは、一般的に患者さんごとの歯型にフィットしていないため、歯列との間に隙間が生じやすく、力を分散させにくいことから顎関節への負担を十分に軽減することができません。
歯科医院で個別に作成されたマウスピースは、患者さんの歯列に正確に合わせて作られるため、より効果的に顎関節を保護し、歯ぎしりや食いしばりによる問題を予防することができます。
頬杖をつく
頬杖をつくと、顎に偏った圧力がかかり、症状を悪化させる原因となります。頬杖の癖がある方は、意識して避けるようにしましょう。
顎関節症は歯科と口腔外科、
どっちに行けばいい?
顎関節症が疑われる場合、歯科と口腔外科、どちらを受診しても診てもらえます。
口腔外科を標ぼうしていなくても、歯科医院によっては顎関節症に非常に力を入れています。また、その逆もあります。
そのため、HPなどをチェックする場合には、顎関節症のページや項目があるか、治療法が載っているか、CTがあるかといったことに着目してみると良いでしょう。